たとえば、お財布がひとつあったとして。
はじめに
このエントリは 家庭を支える技術 Advent Calendar 2015 に参加しています。
昨日のエントリは 120reset さんの 同居を始めるのにTrelloを使ったら思いの外便利だった でした。ここに
家庭を支える技術、まだ空きがあるので俺に家計を支える技術を授けてください…
とあったので、何かの参考になるといいのですが…
このエントリでは我が家の日々の支出を支える技術を紹介します。貯蓄については扱いません。
前提
我が家は共働きです。二人がそれぞれ毎月決めた額を「家計の財布」に入れます。家計に関する支出はこの「家計の財布」から行います。自分の財布から支払って家のものを買った場合は、「家計の財布」に貸しができたと考えます。
zaim
ここで「家計の財布」と呼ぶものの実体は、現金を入れる封筒であったり、銀行口座であったりの集合です。 これらを zaim で管理しています。
我が家では zaim のアカウントを一つだけつくり、夫婦で共有しています。
zaim には複数の「口座」が設定してあります。主なものは以下の通りです:
- 銀行口座 (引き落としは極力ここから行う)
- クレジットカード (↑の口座から引き落とされるカード。物理的にも上のキャッシュカードと一体)
- 現金 (家にある封筒)
- 夫
- 妻
それぞれの使い方をこの後見ていきます。典型的な処理は以下通りです:
支出
自動引き落とし
すべて家計用の銀行口座から引き落とすようになっています。 定額のものは zaim で繰り返しの予定を設定してあります。 光熱費など額が変動する場合は、請求書が届いた時点で引き落とし予定日で zaim に入力します。 いずれも「銀行口座」からの出金として記録します。
カードによる支払い
amazon や LOHACO 等で買いものをする場合、なるべく家計用のクレジットカードで支払います。 zaim では「クレジットカード」からの出金として記録します。
現金による支払い・家計用ではないカードによる支払い
個人の財布から支出した場合は「夫」や「妻」いずれかからの出金として記録します。 家計用カードは普段は持ち歩いていないので、スーパーで買物をするような場合は大概このケースです。 レシートは zaim に入力したら破棄してよいというルールにしています (最初は保存してたけどどうせ後から見ないし…)。
振替(家計用クレジットカードの請求)
家計用クレジットカードの請求が来たら、「銀行口座」から「クレジットカード」へ請求金額分の「振替」のデータを入力します。 明細行のデータは利用時に入力されているはずなので、気が向いたら突き合わせます。 大体の場合はざっと目を通して大きな問題が無さそうならそのままです。
収入
現金(や家計用ではないカード)で色々なものを支払っていくと、「夫」や「妻」の口座がマイナスになっていきます (「家計の財布」に貸しがある状態)。 これを、毎給料日後に入金する額と相殺して調整します。
zaim に家計に入金すべき額を「夫」や「妻」の口座への「収入」として入力すると、貸しになっている額との差が残るので、その分を振替えます (そして実際にお金を移動します。つまり家計口座に入金したり、封筒に入れたりする)。 「夫」や「妻」の口座は毎月なるべく0になるようにしますが、面倒なので端数はそのまま残します (だいたい千円単位)。どうせまたすぐ端数が出るので。 急ぎ現金が必要なときは、家にある家計の現金から振替えることもできます。
とはいえ
そこそこに運用していると、登録漏れがあったりして残高がずれてくるので(カード払いの入力漏れ、臨時の収入とか利息とか)、クレジットカードと銀行口座の残高については現状にあわせて時々ビャっと修正してしまいます。1円も違わず管理したいわけではないですからね。
べんりなところ
zaim だと iPhone からデータを入れられるので便利です。PC から使えるのもべんり。
月々どのくらい支出しているのかがすぐにわかります。
ちょっと応用編っぽいですが、夫婦間でのちょっとしたお金の貸し借りをする場合、お金を貸した時に「振替」のデータを入力しておくだけで、その金額を直接的に返してもらう必要がなくなります (そのうち勝手に精算される)。べんり。
以前のはなし
以前は Google Spreadsheet を共有して家計簿をつけていました。これで月々の支出を把握したり、誰がどれだけ支払ったかをみることはできました。しかし、それだけでは、どこまで精算が完了しているのかが解りづらいという問題がありました。
そこで、 zaim に移行すると同時に、「家計の財布」との貸し借りを含め、口座毎に残高を管理するようにしました。これにより、月次にかぎらず、自由なタイミングで精算できるようになりました。実際には月次で精算することが多いのですが、いつ行っても整合性のとれた状態に保てるので便利です。
まとめ
zaim を使って日々の支出を管理する方法を紹介しました。 zaim にかぎらず、複数の口座の残高を管理できるようなツールであれば上記のような運用が可能だと思います。
こぼればなし「みんなの財布」
大学時代、仲間内で旅行するときに使っていた「みんなの財布」というアイディアがあります。
まず、集合したら参加者は全員(たとえば)1万円ずつ出して一箇所に集め「みんなの財布」に入れます。お財布係の人がそれを持ちます。道中みんなで飲み食いしたり、給油したり、アクティビティで必要になったお金は、お財布係の人がそこからどんどん出していきます。もし「みんなの財布」が空になってしまったら(もしくは空になりそうになったら)、また全員から同額ずつ集めます。
こうすることで、全員で割り勘しつつ、しかも各自のお財布からお金を払う回数を大幅に減らすことができるため、とても気持ちよく遊べます。「みんなのお財布」にはそこそこの額が集まるので気前よく使えます。せっかくみんなで遊びに行くのですから、ちょっと気が大きいくらいで丁度よかったりします。
気心の知れた仲間同士で遊びに行くようなとき、よい旅行体験になると思います。もし機会があったら試してみてください。
「家計の財布」とは似ているような似てないような、ですね。
明日は shirayuca さんのエントリです。